気が付けば1か月ぶりの投稿となってしまいました。前々回の記事「フォーラムの空模様 – 「組織によって管理されています」?Chrome編」は予想以上に多くの方にご覧いただいており、当事象に関する関心の高さがうかがえました。
「フォーラムの空模様」コーナー14回目、本日は、(あまりこういう記事は書きたくないのですが)アバスト パスワードをご利用の皆様に重要な(そして残念な)お知らせです。
元になったフォーラムトピックはこちら。
アバスト無料アンチウイルスでアバストパスワードが無料で使えない
https://forum.avast.com/index.php?topic=234294.0
Avast passwords
https://forum.avast.com/index.php?topic=234269.0
アバスト パスワードは、Avast 2016 (2015年リリース)から提供されたパスワード管理機能で、ブラウザの拡張機能を利用して、ユーザーID/パスワードをフォームに自動入力したり、ランダムなパスワードを生成したり、他のデバイスと同期したりできる機能です。基本機能は無料で提供され、一部の付加機能が有料で提供されていました。
しかし、2019年中頃を最後にバージョンアップが停止 (*1) しており、今年(2020年)の4月にリリースされたAvast 20.2 で事実上の後継となる「パスワード プロテクション」機能(有料ですが)が実装されたことを機に、アバスト パスワードの事実上のフェーズアウト(段階的廃止)が始まったようです。
*1 詳細は不明ですが、アバスト パスワードのPM (プロジェクトマネージャ) だったTomáš Hellebrand 氏が2019年3月にAvast Software 社を離れたのと無関係ではないでしょう。プロジェクトの推進役がいなくなってしまったのだと思われます。
先日(2020年5月中旬)より、これまでアバスト パスワードを利用したことがないユーザ向けには、新機能であるパスワード プロテクション機能のみが表示され、アバスト パスワードを新たに利用開始することができなくなりました。既に利用しているユーザについては引き続き利用できますが、Windows を再インストールするなどして登録情報がパソコンから消去された場合、アバスト パスワードを開くことができなくなるようです。
既存ユーザの当座の利用に問題は無いとは言え、使用していたパソコンが故障してしまった場合などに新環境でのアバスト パスワードの利用再開ができないことを考えると、最悪の場合、保管していたパスワードに一切アクセスできなくなる可能性があります。
上記懸念から、何らかの救済手段を用意するよう開発陣に申し入れをしたところではありますが、ユーザの皆様におかれましては、アバスト パスワードのエクスポート機能を利用し、保管されているパスワード情報をバックアップしておくことを強くお勧めします。
エクスポートは、
アバスト パスワードの管理画面 ⇒ 設定 ⇒ データをインポート/エクスポート
で可能です。